歴史をつなぐ京都の街で、
ワンランク上の
暮らしを愉しむ。

開発担当者に聞く
「ジェイグラン京都西大路」

京の玄関口、
西大路で暮らすという価値。

Q 今回のプロジェクトが誕生するのはどういった場所なのでしょうか。

開発担当

西大路エリアは、ご存じの通りかつての京の都・平安京の入り口とされる羅城門跡に近い場所です。現在でもJRで大阪方面から京都に向かうと、桂川の橋を越えるとまず現れるのが西大路。そして東寺や京都タワーがその先に見えてくる。今も昔もまさに京の玄関口と言えると思います。

そんな西大路エリアの中で本件の土地は、いまは最先端の企業が集まる事業所エリアというイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、じつは歴史ある土地でもあります。

京の玄関口、西大路エリア ※参考写真※参考写真

Q 平安京の玄関口、どんな歴史があるのでしょう?

開発担当

名前の由来とされる「吉祥院天満宮」を中心にして、洛外屈指の集落があったそうです。
図書館で古地図をさかのぼってみたのですが、16世紀初頭にはすでに「吉祥院村」という地名が載っており、古くから人の住み良い場所だったことが想像できます。

この吉祥院天満宮は、菅原家由来の神社で、幸運の女神といわれる「吉祥天」が祀られています。「吉祥」という名前は、「吉:めでたい、祥:幸運」を意味するめでたい言葉なのです。

縁起がよい図柄として、古くから着物や浮世絵、建築などに取り入れられている「吉祥文様」もこの「吉祥」ですね。

Q 近代の歴史は?

開発担当

かつては農地が多く京野菜の栽培などもされていたようですが、車・鉄道の交通アクセスがいい場所ですので、戦後は急速に工場や住宅の開発が進んだようです。

この場所は直近ではJR西日本の社員寮で、以前は単身者向けの寮のほかにJR社員とその家族が住む社宅も周囲に広がっていました。

京都らしさを愉しむ、洗練と品格のデザイン。

Q エントランスや外観は「吉祥文様」を取り入れたこだわりのデザインだそうですね。

開発担当

吉祥文様はそれぞれの図柄に人々の願いが込められています。

たとえば、京の町家でよく見られる「千本格子」は、格子のマス目が魔物を見張ってくれる魔除け。今回は北側ファサードやエントランスアプローチなどに取り入れています。
外壁タイルで表現している「市松」は、同じ柄がとぎれることなく続くことから子孫繁栄や事業拡大を意味しています。

その他にも、「三つ組手」や「七宝」など、デザインの美しさとともに、吉祥院という土地への愛着にもつながればいいなと思っています。各所に散りばめられた吉祥文様デザインをぜひ見つけていただきたいです。

吉祥文様

Q 一番こだわった部分はどこですか?

開発担当

一番はエントランスアプローチからホールを通って各住戸に至るまでの動線でしょうか。
華やかな表情のゲートをくぐった先には、まず吹抜で開放感あるホールが迎えてくれる。そしてアートや坪庭「眺の庭」を眺め、時には家族や知り合いとラウンジや中庭「寛の庭」でおしゃべりをし、各住戸へと帰っていく。
毎日ここに住む誰もが通る動線ですから、落ち着いた気持ちや誇らしい気分になっていただきたいと考えました。

また、歴史ということでお伝えすると、アプローチの千本格子モチーフの鋳物フェンスは、なんと1200年以上の歴史をもつ「傳來(でんらい)工房」という会社の商品です。
地元・吉祥院の老舗企業で、平安時代に、弘法大師が唐の国から持ちかえった鋳造技術を受け継いで、それ以来一番すぐれた技能をもつ一番弟子が代々つないでこられたとか。さすが京都、時間の流れが壮大ですよね。

Q 京都らしい美意識を感じますね。

開発担当

私自身、学生時代から10年以上京都で暮らしていたので思い入れもあります。外観も内装も、派手すぎない洗練された雰囲気を大切に、京都らしい品格が感じられるように。京都で長く愛されてきた建築や文化なども参考にしています。

たとえば、エントランスホールやエレベーターホールから見える坪庭「眺の庭」は、市松模様に緑を敷きつめた東福寺本坊庭園のオマージュになっています。
先ほどお話しした京町家の「千本格子」もそうですし、厄除けとされてきたナンテンを敷地の角に植えるのもそんな京都らしさの1つです。

中庭「眺(ながめ)の庭」

一歩先をいく緑地計画。美しい眺めと生態系への配慮。

Q ナンテンのお話がでましたが、緑地計画にはかなり力を入れたそうですね。

開発担当

はじめにお話した通り、周辺は事業所や工場が多いエリアでもありますので、今回の開発にあたっては緑の環境整備にも注力しました。
この場所にふさわしい植栽とは何か、地元の専門家からアドバイスをいただくべく「京大オリジナル株式会社」とコンサルタント契約を結び、生態学を研究されている京都大学の伊勢武史准教授(フィールド科学教育研究センター 森林生態系部門)から多くのアドバイスをいただきました。

Q マンションの緑地計画に産学連携で取り組む。なかなか聞かない話です。

開発担当

そうですね。一般的にはマンションの植栽はとにかく育てやすく枯れにくい定番の樹種を使うことが多いですし、ここまでこだわっているのは珍しいと思います。
今回は、事前に行った周辺地域の生物調査の結果も踏まえつつ、伊勢先生にアドバイスをいただきながら、在来種を中心とした日本らしい樹種を取り入れたり、生態学的な相性を考えた配置を行ったりと、見た目の美しさだけでなく陸上生態系の保護にも配慮しました。

Q どのような樹種を採用したのですか?

開発担当

たとえば、スギゴケやマダケ、クマザサ。京都という土地の気候に合っていることもあり、京都の寺院や庭園ではよく見かけますが、マンションの植栽としてはめずらしいと思います。
京都らしさという意味では、北山杉を独特の樹形に育てたダイスギも伊勢先生のアドバイスで取り入れた樹種です。
あとは、接道面にはヤマザクラやイロハモミジといった季節の移ろいを感じさせる樹種を多く配置していますし、中庭はシラカシやソヨゴなどの常緑樹を中心とし色鮮やかなツツジなど、どの季節にも変化を楽しんでいただけるはずです。

京都の気候に合わせた植栽 ※参考写真※参考写真

Q 入居者の方々にも植物への興味を持っていただけそうですね。

開発担当

実はいま、入居者様むけのセミナーやワークショップを「京大オリジナル株式会社」と一緒に企画しているところなのです。
京都大学は、多くの教職員・学生の専門的知見をお持ちであるのはもちろん、研究のための施設を多く所有していらっしゃいます。それらを活かし、たとえば生態学研究者と一緒に南丹市の「京都大学芦生研究林」を歩くツアーとか、ほかにも天文学であれば「花山天文台」の見学など、普段は得られない知識や経験を得られるものにしたいと考えています。
子どもはもちろんですが、大人にとってこそ、楽しく学べる場や生涯学習の機会ってすごく貴重なものですよね。私もぜひ参加したいくらいです。

それに、こういった取り組みが入居者様同士はもちろん入居者様と学術研究者など、多様なコミュニティ醸成の一助にもなればとも思っています。

Q コミュニティ醸成の視点でいうと、庭自体にもその工夫がなされているそうですね。

開発担当

2つの庭のうち、とくに「寛の庭」はその役割を担っています。
たとえば、自転車置き場へとつづく動線のなかで自然に挨拶をかわしたり、人が留まりやすいベンチスペース、四季折々に楽しめる植栽など。

J.GRANでは、日常のなかで自然にコミュニティが育っていく環境づくり「メイクプレイス」に力を入れていて、その手法を生かしたものです。
庭だけでなく、エントランスホールなどさまざまな場所にも、この考え方が反映されています。

暮らしながら社会に貢献する、という考え方。

Q 植栽計画のほかにも、太陽光発電など、未来につながる取り組みが行われていますね。

開発担当

屋上に設置している太陽光発電パネルから生まれた電力は、マンション内の消費電力の一部にあてられる仕組みになっています。
その他にも、電気自動車の充電設備やソーラー電灯。住戸内においては、断熱性の高いLow-Eガラスの採用や節水型トイレ、保温浴槽など、省エネにも対応しています。

社会に貢献するさまざまな取り組み

Q SDGsに共感できても、生活者としてどう取り組むべきか。私たちの課題でもあります。

開発担当

ほとんどの方が同じ感覚だと思います。だからこそ、住まいの仕様そのものを、できるだけ機能性とSDGsへの配慮が両立したものにするべきだと私たちは考えています。
日常のなかでストレスなく環境や人に配慮した暮らし方ができるというのは、これからの時代、なにより誇らしいことかもしれません。

Q 京都の歴史をながく見守ってきたこの土地で、これからの京都を見つめるきっかけになればいいですね。

開発担当

京都は、古くからの伝統・文化を重んじる反面、ビジネスはじめ新たなチャレンジにも敏感な街です。
この場所で、次世代へとつなぐワンランク上の暮らしを愉しみながら、吉祥院という土地の歴史をさらに紡いでいく。そのベースとなる環境づくりができればと思っています。

桂川